これまでの活動 2003年度

住環境ワークショップ 第4回
「環境共生住宅の基本要件と実現方法(3)」

日時 2003年11月27日(木) 14:00-16:30
場所 滋賀県立大学交流センター
参加者 15名
ファシリティター 林昭男(滋賀県立大学名誉教授)
伊丹清(滋賀県立大学講師)

プログラム
  • テキスト(3)居住環境の健康、快適性に関わる手法
  • 居住環境の健康・快適性 -シックハウスについて-
    関西電力株式会社(関西住宅品質保証株式会社)
  • 農的アーバンライフを楽しむ(林昭男)
居住環境の健康、快適性(ヘルス&アメニティ)に関わる手法
街路樹
  • CO2固定度の高い木 →でいご
  • 逆に排気ガスに弱い木をバロメータにする→ケヤキ・朝顔
調湿機能を持った内装材
  • 木、土、紙、建具は湿度に敏感。
  • 昔の家は田の字形で土間があった。

土間が調湿をしていたのではないか。

質問

○いつから高気密になったのか。
冷房が普及してから。
アルミサッシ等、開口部気密性の技術があがったこともある。
○木製サッシの利点
結露しにくい
防災地域であっても防火性の高い木製サッシがある。(値段は3倍くらい)
アルミ以外ではプラスチック、人工的な木もあるが寿命が短い。
○ 天井高の住宅
強制排気でなく、空気が自然に動く。
日本の天井は昔に比べて低くなったが、
空調効率と床面積を稼ぐのが目的。
オフィス街は天井が低いが、仕事の効率は落ちるんじゃないのか。
○上下の温度差の少ない快適な暖房
部屋を暖める→温度のバリアフリーへ
押入れ等の結露防止に有効。
湿度は体感温度に影響する。
○ 音
心理的な健康といえるかもしれない。木造では遮音は難しい。
安直に言えば重いほうが遮音性は高いのでコンクリートは優等生。
最近はマンションでも二重床。
コンクリートの床の上30センチのところに木の床があり、
この空間に配管したり、掘りごたつを作ったり、風を通したりできる。
これを逆スラブといい、間仕切りの変更等もしやすい。
○ 防虫
ダニの防虫加工はシックハウスの原因となり、しないほうがよい。
エコ村は虫とも共生する覚悟が必要か?
虫が住みにくい環境をつくる。かび、シロアリは湿度がカギになる。
50%前後で調湿する壁面や素材を採用する。
昔の刺すダニは減り、今の小さなダニはアレルギーの原因になっている。
昔は畳を町内で一斉にあげて乾燥させた。大掃除もなくなった。
<3-3 安全に住みつづけられる住環境>
○ ライフサイクルにあわせた間取りや設備の変更
建物より設備の方がライフサイクルが短い。
取り替えやすい場所に設置するべき。風呂が課題。
→内風呂はやめて銭湯に。
○ バリアフリー
敷居を低くするのは簡単。手すりが重要。
○ 高齢者にも使いやすい設備
ガスコンロは防災上の課題。IHが便利。
■ まとめの方向性
  • 小舟木という地域性からどういう集住体にしていくのか。
    これまでの3回の学習を通じてプランニングしてきた項目が、
    どのように集約されるのか抽出する。
  • 優先順位を何に置くのか
  • 個人で完結するもの、あるいはみんなで協力するもの
  • 建築協定…住民どうしで協定を結び、基準を守ることによって資産価値を守る。
  • 敷地が広くて緑豊かな地域の一方で、リーズナブルな地域も必要。
    いろんな世代の人が住んでいる。
■ プレゼンテーション
居住環境の健康・快適性 -シックハウスについて-
関西電力株式会社(関西住宅品質保証株式会社)

質問

○ 既存の学校で年一回検査が義務付けられているのはなぜか。
影響の持続性は、物質や環境によってケースバイケース。
ホルムアルデヒドは数年にわたって検出される可能性がある。
既存の建物でも継続して計っていく必要がある。
またシックハウス法以前に建てられた建設物は注意が必要。
○ シックハウスが慢性化して過敏症になるのか。
基本的に過敏症とは別のもの。
身体に蓄積され、ある限度を超えると症状が出る。
○ 家族全員がかかるのか。
滞在時間にもよる(主婦、在宅勤務など)。
新築の家が直接の原因でも、そこまでの蓄積
→個人差があり原因の特定は難しい。
平成9年以前は、入院する人もいた。
接着剤をどうするかを工務店もメーカーも根本的に取り組んでほしい。
○ 防虫剤など原因の多いクローゼットを寝室からはなせば少しは改善されるのでは。

なぜ原因物質を使うかというと、品質をよくするため。
現在は健康、安全も含めて、トータルで品質を問われているといえる。
人にもやさしくないとだめ。