これまでの活動 2003年度
住環境ワークショップ
第2回「環境共生住宅の基本要件と実現方法(1)」
日時 | 2003年9月25日(木) 14:00-16:50 |
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場所 | 滋賀県立大学交流センター研修室 |
参加者 | 11名 |
講師・コーディネーター | 林昭男(滋賀県立大学名誉教授、建築家) 伊丹清(滋賀県立大学環境科学部(環境・建築デザイン専攻)講師) |
配布資料
- 環境共生住宅の計画手法一覧(テキストP22~26)
- ヒートポンプのお話/省エネルギー住宅の実現
(関西電力プレゼン資料) - 地域環境をサポートするレンガブロックのご提案
(関西総合環境センタープレゼン資料) - 小舟木現地マップ
プログラム
- テキスト(1)地球環境の保全
- プレゼンテーション(45分/3団体各10分質問5分)
概要(林先生)
※テキスト「環境共生住宅」ケイブン出版参照住環境の枠組みの中でコミュニティ全体を考えるにあたって、骨組みになる手順は三つに分類されている。
- 地球環境の保全(ローインパクト)に関わる手法
- 周辺環境の親和性(ハイコンタクト)に関わる手法
- 居住環境の健康・快適性(ヘルス&アメニティ)に関わる手法
(1)(2)の結果(3)につながっていくわけで、それぞれ相互関連のある点で関係性が密接にある、個別の問題ではないことをご理解いただきたい。
地球環境の保全に関わる手法(林先生/伊丹先生)
テキストを読みながら、質問・やりとりをまじえつつ進めました。省エネに有効とされる「高気密」には疑問の声があがったものの、それ自体は悪いことではない、というコーディネーターの回答があり、シックハウスのために強制換気が義務付けられていること、換気の知識や意識の問題も関わっていることなど話題が広がりました。
(1-1)エネルギーの節減と有効利用
- 地中化
地下室は夏も冬も安定した室内条件になることは経験的にわかっている一方、日本では夏の結露が課題。 - 屋根緑化
断熱だけでなく、湿度を持つことになるので蒸発によって熱の上昇を抑える効果もある。 - 高断熱化
室内の環境を安定させるには床や天井など外との接点を断熱する。外側はしっかり断熱し、部屋と部屋の間仕切りは断熱しなくてよい。 - 高気密化
>「高気密化」は環境によいのですか?
すきま風でエネルギーを捨てている。必要最小限を換気する。
機械換気が主流であるという現実もあるが、春秋は窓を開けてやればよくて、閉めたいときには閉められるようにしておく。
住む人が選択肢を得ることが、有効だと感じる。
(1-2)自然・未利用エネルギーの有効利用
- 地中冷熱利用
あらかじめ部屋に取り込む空気を、クールチューブという管を通して家の中に取り込むという方法。
小舟木は湿地で水もあるんだったら、クールダクトで自然の冷気を誘導しながら各家に配置するようなことができたらいい。 - 太陽パッシブ/ハイブリッド利用
パッシブ=設備機器を使わない。
アクティブ=太陽熱温水器、集熱器,太陽光発電 - 風力利用
小規模のものも開発されている。 - 地下水熱循環利用
地下水は夏涼しくて冬暖かい。
暖房まではいかなくても省エネルギーになる。 - 土、水、緑を利用して微気候を緩和する工夫
微気候は蒸発、発散、小規模な気象現象を表す。
特に緑には水を蓄えるはたらきがある。
(1-3)耐久性の向上と資源の有効利用
1997年京都で地球温暖化防止京都会議(COP3)が開催されたとき、建築学会はこの問題に対して、端的に結論として、耐用年数を30年の3倍の100年延長、エネルギーも30%削減、建築業界でCO2換算にして30%削減するという提言を出した。
(1-4)環境への負荷低減と廃棄物削減
安いものを遠方から運ぶのではなく、地産地消という言葉があるがトータルで見て、地球環境に負荷のすくないほうをえらぶ。
プレゼンテーション
熱有効利用、廃棄物再生素材といった今回のテーマと関わる内容でもあり、質問から議論へと発展して有意義なやりとりがなされました。
- 「省エネルギー住宅の実現~給湯ヒートポンプシステムのご案内~」
関西電力株式会社 - 「ゼロエネとリユースのご提案」
積水化学工業株式会社 - 「地域環境をサポートするレンガブロックのご提案」
株式会社関西総合環境センター
(文責 本郷)