これまでの活動 2011年度

2011.7.2エコ村セミナー

2011年7月2日、近江八幡市商工会議所にて、エコ村セミナー「地域からつくる ストレスのない、気取らない暮らし」を開催しました。
講師には、 「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人代表や環境=文化NGO ナマケモノ倶楽部世話人として、数々 の環境文化運動や環境共生型ビジネスに取組んでおられる、辻信一氏をお招きし、記念講演「ぼくたちはすでに新しい時代の中にいる」をお願い致しました。
当日は、90名と言う会場に入りきれない程、沢山の方々にお越しいだたきました。ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。

以下、講演レポートを、当会副理事長・飯田航氏にまとめていただきました。

エコ村セミナー「地域からつくる ストレスのない、気取らない暮らし」開催レポート

 「ぼくたちはすでに新しい時代の中にいる」

 と題された7/2の辻信一さんの講演会では、
 冒頭での脱原発の話題以外にも、いくつか印象的なお話がありました。
 
 NPOエコ村ネットワーキングの仁連先生と滋賀県立大学山田洋平さんとの
 鼎談も含めて、紹介したいと思います。

1)ブータンは10年前からモデル県で完全オーガニックに取組み、実現。
  ブータン=オーガニックというブランドを確立して、経済の柱とする

2)GDP(国内総生産)ではなくGNH(国内総幸福)というものさしは、
  国家だけでなく、企業、コミュニティ、家庭にも当てはまる。
  家庭のGNHについて、家族で話し合ってみてください。

3)GP=非電化工房の藤村さんが開発したエネルギー消費量を図る単位。
  1GP=原発1基分のエネルギー。
  全国の暖房便座が1GP。電気ポットが3GP。福島第一原発1~4号機分。
  日本全体では850GP分のエネルギーを使わないとまわらない社会に
  なっている。

4)一度は古い時代のチャンピオンになった日本の役割。
  それは新しい時代のモデルとなること。

5)政治家は次の選挙、企業は次の決算。
  シャロータイム(浅く近視眼な時間軸)で大人は右往左往している。

6)「原発の代替案」は「原発をやめること」
  補償のシステムというが補償できない。すなわち、もともと代替案はない。

7)想定外、は現代の科学を象徴する言葉。
  ある条件の下では有効に働くことを証明してきた。だから
  多様な分野の専門家が集まっても、想定外はなくならない。
  現実は想定外のことだらけ。だから科学が実世界に対応できない。

8)想定外は本当に意味深い言葉。それは科学に限らない。
  生活のあらゆることが『想定外』になっているのでは。
 
  例えば、海。魚は食べているけど、海の存在を忘れている。
  原子力にしてもそう。もともと太陽がある。その存在を
  忘れてしまったことが、失敗の始まり。

  そういった忘れたことを思い出していくことが、
  これから必要になっていくのでは。

9)これまでは、集めて、分けて、しばる、というやりかた。
  これからは、混ぜて、散らして、つながる、という時代。

10)エコ村の図面は何回も書き直された。しかし、ECOは
  図面の中には出てこない。生きる人々の暮らしそのもの。
  自考自築、ということを言ってきた。実際の暮らしの中で
  追究していくもの。

参加者からの感想

・「3.11以降 日本が新しい道筋のモデルになるように頑張らねばならない。」
 ブータン首脳の言葉が印象に残った。(60代・男性)

・個々がどういうくらし方を求めているのか・・・。
 GNHという目標。スロー、スモール、シンプルが限りある資源を大切にし、
 この地球上に人間だけがいるんじゃない。これは当然のことだけれど
 それを考えることのない人が増えすぎている。
 大震災は不幸なことだけれど、今の生き方を変えるチャンスであり、
 実践する時だと思います。(60代・女性)

・先日小舟木エコ村を訪ねた際に、スタッフの方に丁寧に対応して頂きました。
 そのときにこのセミナーのご案内をいただき、参加いたしました。
 素敵なまちと人との出会いに感謝しています。
 辻信一氏のご講演では快適な暮らしの中で目をそむけていたもの、
 気がつかないフリをしてきたことと、向き合う覚悟が求められているのだと
 強く感じました。鼎談も含めて非常に気づきの多いセミナーでした。
 ありがとうございました
(40代・女性)

・ダグラス・ラビスさんの言葉。
 私も以前より原発反対派でしたが、その考えをうまく周りの人に話すための
 とても分かりやすい比喩だと思います。
 3.11以前は「原発」というものについて、特に興味を持っている人と以外とは
 話す機会がなかったのですが、今こそなぜ反対なのか。
 反対→なくすためにはどのような考え方を持つべきなのか。
 自分の気持を伝えられるチャンスが増えたのでどんどん話していきたいと思います。
 (20代)

・GNP<GNH
 人々の幸せが増えていくような社会になって欲しいと思います。
 書店でエコ村の本を見つけて、本日拝聴させて頂きました。
 仕事で都市に緑を増やすことを推進しています。
 エコ村のように緑を意識した街づくりがとても参考になりました。
 (40代・女性)

・つつましくこつこつと、ゆっくりできることだけを
 丁寧に吟味しながら
 僕はささやかにこの星のいのちのキャンドルライトと
 一灯であらせてください、と祈ります。

 僕は自分を越えた大きな力に従いたい。
 意思を押すのではなく、従わせていただくことが
 しあわせだ、と信じ続けたい。
 (40代・男性)

・まさに私はお聞きしました。
 「代替エネルギーは何が適していますか?」と。
 (能登川へウインドファームの中村隆市氏が、いらした時に・・・)
 私たちは、グラグラの土台の上に何をすげかえようとしていたのでようか。

・日本のエネルギー総量が850GPも使用している経済を
 動かしている私たち。また更に上へ上へのびることばかりを
 あの3/11を見ても思い続けている私たち。

 経済のあり方、大人であり社会になっている私たちは
 共に深く考えていかねばなりません。

 ブータンの美しい映像は素晴らしかったです。
 所有者のいない旗が、美しい風景にはためいている姿素晴らしいです。
 エコ村・・・本当は出来上がったときは、特に電柱が立った時
 ショックを受けていました。内藤正明先生から教えていただいた
 未来の目指す方向の理想をおききして納得しました。
 なかなか着工しなかったことも。
 最近は暑さと暗さを楽しむことを覚えました。
 (40代・女性)

・人間はもっとシンプルに生きるべきだと思った。
 今の時代はネット社会&豊かな社会で、時間に追われ、
 便利すぎて自分が主人公になれない時代だということには
 かなりの衝撃を受けた。
 私はうつ病の症状が出始めて、頭痛や幻想が頭をよぎるようになり、
 学校でたまたま見たビラで今回参加しました。
 何もかもやらなければと追われてばかりいて、疲労していたので
 何もかもやめる引き算生活の話は、すごく自分にとって役立ちました。
 もっとシンプルに、人間らしい生活を送っていきたい。
 本日はありがとうございました。
 (20代・女性)

・3.11まであまり考えてこなかったエネルギーのコト。
 足し算  →引き算
 グローバル→ローカル
 複雑   →シンプル
 GDPの矛盾。エネルギー消費で生じた環境破壊の対策で、
 またGDPが大きくなる?
 今からできる引き算生活を考えたい。
 (60代・男性)

・3.11は古いものから新しいものへ変えるチャンスという言葉が
 印象に残りました。
 9月にブータンに行く予定ですので、ブータンの写真とお話は
 私をもっとブータンを見て、感じたいという気持ちにさせていただき増し亜t。
 GNHのブータンのように日本もなれることを祈ります。
 (40代・女性)

・想定外とは制御の範囲を超えているということ。
 専門家にとっては領域外を意味する。ある前提の中では有効ということ。
 地球環境や生命は想定を超えた存在。
 小舟木エコ村は、コミュニティが生活に責任を負っている。
 コミュニティは想定外へのレジリエンス。
 印象に残りました。
 (30代・男性)

・辻さんのお話が印象に残りました。私達が生まれたときから電気は
 当たり前に使える時代でした。3.11が起こる前までは、電気は便利なものと
 思っていたのですが、原発の事故が起き、環境が汚染され、暮らしていた方々の
 生活が一瞬にして奪われました。便利で豊かなものと思っていたことが、
 違うということに気づかされました。
 これからは持続可能な社会、暮らしを皆で見出さないといけないのではないかと
 思います。
 (30代・女性)

・三つの問い。
 1.持続可能か?
 2.再生可能か?
 3.生存可能か?
 →本当の生命を問う。「賢い生命」を探求しきたえ直すことと認識しました。
 (60代・男性)

・「代替などありえない」
 土俵(現実=幻想)から降りてこそ、現実であり「新しいものがたり」が始まる
 との言葉が印象的でした。
 (40代・男性)

・思いもよらない意見も伺うことができまして良かったです。
 自分達に合わせた暮らしではなく、環境に合わせた生活というコトに
 ハッとさせられました。
 今まで目先のことでしかはかっていない自分のものさしを直したいと思いました。
 まずは自分から直していきたいです。もっとお話を聞きたかったです。
 ありがとうございました。
 (40代)

・ブータンの国の美しさ。
 日本人(私)は最近祈っている?
 原発の代替案は原発を止めること。
 フィンランドは原発推進国ということ、意外でした。
 3.11後の新しい時代を作っていく若者として、
 他人にいろんなことを押し付けない暮らしをしていきたいです。
 自考自築。
 まずは今起こっていることを知り、自分ごととして結びつけるところから。
 (20代・女性)

・私たちはライフスタイルを変えなければいけない。
 豊かさあまり贅沢になりすぎた。この生活、一人一人が考えないと
 何も変われないのだと・・・。
 人間の豊かさとは何か、学べました。ありがとうございました。
 (30代・女性)

・辻先生の言葉の数々に学ぶことが多かったです。
 快適なイスの話はわかりやすかった。
 自分にも今回の原発事故に責任があることがあらためて思い知らされました。
 古い時代、土俵から一刻も早く降りて、本当の道を歩む国としていきたいです。
 いのちの道を!!
 (30代・男性)

・原発については、たまたま起こった事故程度にしか考えていなかった。
 しかし原発に代表される現代の行き方を見直す時期だと言うことを実感した。
 課題が大きすぎて何をすればよいか、具体的にわからない点もあるが、
 シンケンに考えて実行することが重要であると思った。
 物事を判断したり、決める基準を根本的に変える。
 言葉で言うは簡単だが、具体的に実行に移すのは難しいことですが。
 (50代・男性)

・「原発」の代替案は「原発をやめること」
 (20代・男性)

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