これまでの活動 2007年度

小舟木エコ村シンポジウム
持続可能性は 日々の暮らしから

日 時 2007年4月25日(水) 14:00 – 16:20
場 所 ホテルニューオウミ
参加者 180名
主 催 NPO法人エコ村ネットワーキング、小舟木エコ村推進協議会
話題提供 滋賀県、近江八幡市、滋賀県立大学、(株)地球の芽

開会挨拶(仁連孝昭/NPO法人エコ村ネットワーキング理事長)
エコ村とは「場」であると考えています。「場」には、人が必要です。エコ村とは、場であり、人であり、そこで起こされることだと言えると思います。
ですから、建物を建てるといったことではなく、このエコ村を生かしたいという人が集まって、そこで自分を生かすいろいろな取り組みが起こるということです。
今日のシンポジウムで、是非それぞれの思いから、小舟木エコ村に参加していただきたいと思います。


エコ村構想の誕生から小舟木エコ村へ

仁連孝昭

2000年にエコ村の活動が始まりました。それ以降、エコ村実現に向けて、行政との細かい話を詰めてきました。小舟木エコ村の起工式を迎えた今、もう一度初心を思い返そうと思っています。なぜ、エコ村づくりを始めようと思ったか、エコ村づくりを通して何をめざしていくのかについてお話します。なぜエコ村か?理由が3つあります。 まず、私たちの日本は戦後の何十年かで発展し、石油を初めさまざまな資源を使ってきました。多くの人々が多くの時間を使って、努力してきました。しかし、残念ながら、その成果や知恵が十分に蓄積されているか、ということが疑問視されてきています。私たちの生活の基盤、社会の基盤がどんどん豊かになってきているかというと、使っては壊す、というやり方でやってきている。これから日本の人口は減っていきます。そういう中で、使っては壊しというやり方ではなく、今までのものを大事にしていく、蓄積していく、さらに努力を積み重ねていく、という仕組みへの転換が必要です。もう1つは、地球規模の話です。地球の容量には限界があります。太陽が水を循環させ、木々を育て、必要な資源を私たちに与えてくれます。地球の環境を浄化する作用には、限りがあります。そんな中で暮らしを立てていく、という方向に転換していかなければなりません。今は、そういったことを無視できない時代になってきています。もう1つは、日本は人口の減少、成熟社会に向かっています。今までの成長社会のやり方が通用しなくなってきている。成熟した社会への課題に向き合わなければならない。新しいやり方を見出していかなければならない。
しかし、残念ながら私たちはまだその問題に向き合っていけていない。そこで、「エコ村」が必要になってきます。これまでとはちがう、新たな発展の道を模索していきたいと思っています。
そのためにまず、フロー(使い捨て)を増やすことから、ストック(サービス・利益を生み出すもと)を育むことができる仕組みに転換していく。
今、食べるために資産を食い尽くしていてはいけない。2番目に、地球の制約に合わせた資源利用の仕組みづくり。
私たちは、化石燃料を無制限に利用し続けてきました。その結果、地球の異常が発生してきました。3番目は、量的成長に変わる、質的な成長。では、そのためには、どうすればいいのでしょうか。「コミュニティからはじめる」ということが重要になってきます。どういうことかと言いますと、国や国際社会の理論だと、政治家やシステムへの不満になってしまいますが、よそをあてにするのではなく、自分たちから始める、ということが新しいやり方の上では必要になってきます。コミュニティは、顔の見える最小の単位でやっていく、ということ。そこで実現できないことが、日本はおろか、世界に通用するわけはありません。これからの自立的な新しいライフスタイルは、個人個人だけではなく、コミュニティという「共通の価値をもつ」ことで、コミュニティから新しいライフスタイルが生まれていくと、考えるわけです。それがエコ村ということなのですが、エコ村、というのは、「場と人が集まって、ことを起こす。」ということになります。「人」というのが非常に重要です「場」だけではだめです。どういう人が必要か、というと、地域(邑から地球まで)の全体像を結べる人が、新しい発展の道を作り出していく。今は高度に分業された時代で、ある1つのことを知っていれば、所得を得て暮らしていける。自分の職業のことだけ考えていればそれでよかった。しかし、これからは地域、地球の全体像がイメージできる人が必要になってきます。また、自然、社会にかかわり、文化を創造していくような技能を育むことが必要になってきます。思いだけでなく、思いを社会や自然に働きかけたり、文化を創造していったり、ということにつなげられることが必要になります。今のままで未来を犠牲にするのではなく、未来のために今を使うことが必要になります。将来のために今がある、というふうに人々が考えらると豊かな社会になるのではないか、と考えます。そういう考え方をまとめたのが「エコ村憲章」です。こういった考えを広げるための活動を続けてきました。具体的には、23の課題があると考えます。水循環、エネルギー、物質循環、社会の健全性。これをエコ村づくり、エコ村という場を通して実現して(取り組んで)行きたいと思います。冒頭でも申しましたが、エコ村とは「場」。
皆さんに、さまざまな形で関わっていただきたい、住んでいただきたい、と思っております。


社会的企業の挑戦

飯田航((株)地球の芽)

社会的企業と書いてありますが、どういうことかと言いますと、経済の問題と言うよりは、地球環境の問題、社会の問題、ということを身近に感じながら育ってきた20代のメンバーが集まった会社が地球の芽です。地球や人の役に立つビジネスをつくっていきたいと考えています。私たちの特徴として、NPOエコ村ネットワーキングが出発点にあります。ずっとネットワーキングの活動に関わってきましたが、NPOとは異なり事業会社、というものが構想を実現するためには必要だ、ということで、2003年に私たちの会社地球の芽が立ち上がりました。同じく、事業推進を目的とした団体として、小舟木エコ村推進協議会が立ち上がりました。関係主体が協議して、地域に役立つ活動を地域に広めていくために、現場で実践するための地球の芽という会社がある。そういうネットワークで進めてきました。2000年にエコ村ネットワーキングが立ち上がりまして、2004年から私たち地球の芽が開発の協議を進めてきました。私たちの地球の芽のCSRは、NPO的企業、Global Networkのハブ、Future Lab、この3つを掲げています。「エコ村とは何か。」というご質問をよくいただくのですが、持続可能な社会をなんとかつくろうという人が集まって、文化がうまれる、持続可能な生活がうまれる、と思うんです。自分の持っているよい所を出し合って参加することができる、そうしてまちが育っていく、ということがこのエコ村の本質だと考えています。2008年にはじめの人が住んでいただけることになっています。さまざまな取り組みを、まずは地球の芽の社員が実践していく、ということで、コミットメントの意味でこのパンフレットにまとめました。Earth gift、という住宅の取り組みや、ぐうたら農法に取組むNPO百菜劇場、滋賀県産材を使った新しい建築j-Pod、3D小舟木エコ村でエコ村のイメージづくりに産学連携で取組む、など常に新しく、社会の課題への新しいアプローチとなる活動を進めています。今日は、大阪大学の皆さんとエコ村のイメージとしてまとめたアニメーションをご覧いただきます。<アニメーション上映>今回は、自由な発想でつくったものなので、このまま実現するわけではないですが、「エコ村をこうしたい」という皆さんのイメージの一助となれば、と思っております。これから、エコ村を一緒に作っていく方と起工式を今朝行わせていただきましたが、「エコ村」という言葉は凄く、皆がこうしたいと考えられる言葉です。 これから皆さまと一緒につくり上げていきたい、と思っております。様々な形で関わっていただき、ぜひ住んで頂きたいと思います。


◆みんなでトーク:小舟木エコ村で取り組みたいこと

●仁連
今日は、2人のステキなゲストをお招きしています。
内藤正昭先生です。いろいろな所に所属されていますが、日本の循環型社会第一人者です。 エコ村づくりも古くから参加していただいている方です。
ピーターさんは、イースクエアという環境をよくする会社を経営されています。日本にも非常にこだわっておられて、日本に世界中のさまざまな取り組みを紹介したり、世界に日本のさまざまな取り組みを紹介したりされています。
それから舞台右は、地球の芽のメンバー3名、齊藤さん、高階さん、高田さんです。
まずは、ゲストスピーカーの内藤先生から、エコ村の取り組みを始めるに当たってということでお話いただきます。
●内藤正明(NPO法人循環共生社会システム研究所代表)
1つ、私に自慢できることがあるとすれば、30年も前からエコ社会について考えてきたことです。人間が生き延びるにはエコ村しかないと考えています。わたしが生きている間にはできないかな、と思っていました。しかし時代は急展開ですね。
これは、このエコ村がスタートするときの新聞記事でした。「エコ村」は人類を救う第一歩だ、と言っておりました。その後紆余曲折ありました。私は丹後で活動しておりましたが、ずっと関心を持っておりました。
そもそも「エコ村」というのは世界エコビレッジネットワークというのがかなり昔からありましたが、いろんな動機があって世界中で作られてきたのです。
私がエコ社会ということを唱えている理由としては、地球温暖化があります。
脱炭素社会、脱石油社会、石油に依存しない社会をこれから作らなければならない。2030年にエネルギー半減社会というのを目指しましょう、ということを知事さんに頼まれまして、新しい知事さんにも「そのまま続けましょう」ということになっています。滋賀ってすごいところですね。知事が替わっても大事なところは引き継いだ。
そもそもは、国が環境調和型地域システムとして3つのビジョンを提案していますが、いくら技術で切り抜けようとしてもなかなか動いていかない。
なにか真ん中の社会(適正技術を中心にした中間社会)が今の都市工業社会から多少戻ろうとしている。
「東京、ニューヨークを目指すのではなく、エコ村を見てください」そういう村にしたいと考えています。ライフスタイルだけ変えただけでは限界がある。地域の基盤や、それを支えている既存の経済や法制度は、今わたしたちの望んでいるエコ村をつくろうとしたら馴染まない。いくら知恵をしぼり、技術を開発しても立ち行かない。変えていかなければならない。
この絵を見てください。圧倒的に右(自然共生型社会)の支持が外国では多かった。
都市工業型社会から、自然共生型社会、ということで滋賀モデルを。
ではどんな暮らしをしたらいいのか。それは、たくさんの人数で暮らすことです。
例えば、世帯人数が増加すると、それだけで一人当たりのCO2排出量を低下できる。エコ村では、ワンルーム独身者用なんて間違ってもつくらないだろうと思います。
今や学校で食育する。家事電化入れて、ロボット入れるなんてまさかエコ村では考えておられないだろうと思いますが、農業のあり方とか、漁業のあり方とか、食生活とか、余暇活動、びわ湖とのかかわり、交通の仕組み、など、そういうことを考えています。
まちのつくり方について。
都市工業型社会と自然共生型社会を整理しています。滋賀はどちらに進みますか。みなさんに問うてみたい。全体として、持続可能な滋賀ができあがっていくでしょう。
そして、どこが(誰が)、何を、するのですか。まず小舟木エコ村をやって、その結果から、法整備をどうしたらいいか、話していければと思います。
●仁連
続いて、今までの賢者の知恵から、われわれはそれをどう生かしていくのか、ということをピーターさんにお願いします。
●ピーター・D・ピーダーセン((株)イースクエア)
こんにちは。私は、新聞を通じて秋村さんとの出会い、これまで特に世界と小舟木をつなぐ、という役割で関わってきました。私は関わってきて、今日の日をうれしく思っています。ここまでスタッフを集めて、コストや苦労をかけてこの日を迎えていることはすごいことです。
1.ガンジーの言葉です。
The Earth has enough for every man’s need, but not for every man’s greed.
地球には、すべての人の必要を満たすだけのものがあります。しかし、欲望を満たすまでにはない。 といっています。ここには、need とgreed(どん欲、欲望)をかけています。これが、世の中が直面している問題です。
かつては、モノにも価値があった。例えば、今私が持っている時計は、手巻きで、祖父の80年もの。しかし、最近は電子時計が漫画のオマケについてくることもあるような時代になっている。モノをもっと大切にした生活をしていたはずなのに。モノの価値を評価していない時代になっている。 人口が増えていく中で、美しい形(皆がいいなをおもうライフスタイル)で抑制も組み込んだ生活をできるか。私が小舟木に求めているのは、ほかの人々がライフスタイルを真似したい、と思うかどうか。これがこのプロジェクトの成否をあらわす、と思います。
2.Alan Kayの言葉
The best way to predict the future is to invent it.
未来を占う最善の方法は、未来を作り出す、ということだ。
エコ村を作るのに4年かかっています。エコ村をつくることによって加速をはかることができるのか。
秋村さんの周りに、未来発明者はたくさんいました。そして、お金を出してもいいという人が多くいました。そして、2003年に国からもモデル事業になりうる、といわれながら、なぜ、滋賀県で可能にする仕組みにできないのか。なぜそんなに時間がかかったのか。本当に反省すべきだと思いますし、そこを変えていかなければならない、と思います。
アクションを今日とることだ。この村ができることによって、物事を可能にしていくような触媒になるように、本当にそうなるかどうか、見ていきたい。
我々の子ども、孫が生きているうちに人口は100億人になります。
今の環境問題は序の口です。資源関連の問題も、まだはじまったばかり。アクションが求められます。
(最後のページ)
何もないキャンバスの中に、design the future の能力が問われています。これまではこの能力が乏しかったのではないか。WWFやグリーンピースが45年も前からあるのに、各々の場で未来設計を阻む議論をしてきた。社会の動きを、ぜひ滋賀から。身近なところからでよいのです。
Design the future or your children will suffer
われわれが未来をデザインしなければ、子どもたちが苦しむ。
こういう活動を通じて、どのような未来を次に手渡せるか。エコ村に対する希望を託すと同時に、私は、エコ村チームのみんなにも不安を持っています。
常に、いずれできあがった頃、「環境配慮型の団地ね」、ということになるのではなく、「ここは、未来が見える場所だ」というふうに思っていただけるか。
道をまっすぐにする。行政では道を曲げることすらできないのです。
最終的には、20年後、未来が体現されている場所になることを願って。我々の孫が歴史の教科書に書かれるときに、我々のプロジェクト、このプロジェクトがどのように書かれるか。関心があります。
●仁連
これから、どういう場ができていくのか。
まずは、齊藤さんから、どういう暮しかたをつくっていきたいのか、聞いてみます。
●齊藤千恵 ((株)地球の芽)
二人のゲストから重い課題を与えられたわけですが、これまでエコ村づくりに関わってきて感じたことをお話します。
「エコ村ってなんですか?」と聞かれることが多いのですが、弊社の飯田は、「その名前には、エコ村とはこうあるべきではないですか?という話の内容に相手の人の問題意識が反映できる名前だ」といっています。
これから社会が変わっていくためにはいろんな要素が多面的に変わっていく必要があって、可能性が集まる場になればいいのにな、と思ってやっています。
1人1人が、「もっとこうなったらいいのに」を実現できるようになれば、と思っています。
私の問題意識は、これまで環境問題が、ということを小さいときから聞かされていて、ずっと怒られているような気がしていた。電気を使いすぎてはいけない、とか。そんな中で、エコ村の中で、自然に対してごめんなさいね、と言い続けるのではなくて、「人間がいてよかったね」といってもらえるような存在になっていきたい。
私は、自然の中の一部なんだ、と思ってもらえるような住宅の企画を進めています。
家庭からのCO2の排出量は増え続けています。エネルギーの消費量を減らすことができないかな、と思っています。それを解決できる家をつくれないかなと設計士と相談しています。
そこで、壁に突き当たってしまいました。
一番分かりやすい例。冷蔵庫って、日本の企業努力もあって、ここ20年で電気の効率が4倍になっているそうです。ただし、たとえば冷蔵庫そのもののサイズが2倍、3倍になったり、家の中に冷蔵庫が2個あったり、家庭自体が増えていたり、ということで、がんばってきた技術を私たちが打ち消してしまっている。トータルでは増えてしまっている。 こういう暮しかたの部分を、私たちはこれから考えていかなければならないんだろうな、と思っています。住宅の基本となる部分は、オススメ部分を作ってお話できるようにします。その基本を2倍にも、3倍にも、活かしていけるような仕掛けを作っていければな、と思っています。
●仁連
次に、木材の地産地消というのを、エコ村づくりの中で実現していきたい、ということでお話をうかがいます。
●高階智里((株)地球の芽)
私の元々の問題意識は、森林破壊でした。日本で考えると、木材輸入の世界的な上位国であるにもかかわらず、日本の面積の約7割が森林。
そういった現状を知って、日本の中の滋賀の中の小舟木、というところで、森林の地産地消に取組んでいきたい、と考えています。
地域に人と素材が近くにあるのに、すぐにほしいと思ってもすぐに手に入れられない、ということにもどかしさを感じています。
人も野菜も木も、育つペースが異なりますので、需要と供給のバランスをとっていくのが難しいな、と考えています。具体的に、永源寺と甲賀の森林組合の方と、地域の山とどう付き合っていけばいいのか、ということを考えています。そして、京都大学とも共同研究でオフィスをつくりました。
地域の勉強会に参加させていただいて、滋賀県には、地域のことを考えてくださっている方がたくさんいます。エコ村は舞台ですので、小舟木、という小さな地域から、世界を変えていくことに繋がっていく、と信じています。
小舟木という小さな地域かもしれないですが、世界を変えていけると信じて活動していきます。エコ村で家を建てたい方がいらっしゃいましたら、近くの木で家を建ててほしいと思います。
●高田友美((株)地球の芽)
学びの場にしたいということで、どうしてそう思うようになったのか考えてみました。
どうして、エコ村づくりに関わったかというと、はじめに「そこに立つと、未来を感じられるような場にしたい」という言葉にビビッと来ました。
実際、どうやって持続可能な生活を実現していくのか。本を読むだけでは変わらない。チャレンジしたら可能性は見えてくるのではないか。先進的な取り組みの視察をしたり、人の話を聞いたり、といったことをしてきました。
また、2年前から、ぐうたら農法を勉強したり、滋賀県立大学の近江環人講座、というところで研究テーマに取り上げていただいたりしています。
私たちが小舟木エコ村で実現していきたい、生きた場、というのはどういうものか。
答えがたくさんある問いにチャレンジしていく、ということ。
今までの教科書どおりの学びではなくて、答えが分からない、答えがたくさんあるかも知れない問題にとりくむということ。失敗しても柔軟に対応する。
先生がいて、生徒がいて、ということではなくて、双方向の学びの場をつくっていきたい。
これまで、大学と私たちの共同プロジェクト、というのはたくさんあったんですけれども、もっと身近なレベルでやれることはないかということで「地球の芽サロン」というのをはじめました。参加者とざっくばらんに話しながら進めていけるような場をつくっていきたい、と考えています。
生きた学びを実現する場をつくっていきたい、と考えていますので、皆さんもぜひ参加してみてください。(会場からの発言)
●2点あります。近江八幡は歴史のあるまちなのですが、そういったものをもっと検証していきたいな、と思っています。歴史的な流れを取り入れていってほしい。
エコ村の近くにあります白鳥川の清掃に取組んでいるのですが、エコ村の中だけではなくて、自然との共生、ということで、外にも発信・活動参加してほしいです。我々も協力させていただきます。
●齊藤
歴史のあるまち、ということで街並みの作り方であったり、を学んで伝統的な要素を大切にしていきたいと思っています。知恵も。特に、食文化、という意味では地域の方にお話をきいて、学んでいきたいと考えています。
白鳥川の周りには、不法投棄も多いですので、一緒にがんばっていきたいと思います。こちらからもご協力どうぞよろしくおねがいします。
●エコ村立ち上げ当初から関わってきていたのですが、今日気になったのが、「場」といことがテーマになっていますが、生き物としての人間、ということが大切だと思っています。人間だけの視点で考えているといけないと思います。どういう方向を目指すにしろ、生き物の視点、動物の視点、ということで私なりに大事だと思っているのは、生物多様性が私たちの暮らしを支えているのだ、ということを深く理解するということが大切だと痛感しております。その辺りの視点をしっかりと持っていただければな、と思います。
●高階
大きな目標が、「木のような家、森のような村」というのがあるんですけれども、生きものがうようよいる村にしたいと考えています。
緑のほうを考えているメンバーもいれば、菜園の取り組みですとか、いろいろおります。
そういったことも含めて、住まい方にもなるけれど、虫はいやという方とも話して、住まれる方と一緒に考えていければな、と考えています。
●齊藤
地域それぞれの生態系・緑が重要だと思っています。生物多様性を大事にしていきたい。家以外のパブリックスペースをできるだけつくりたい。その場所に、地域固有の種を育てるなどしていきたい、と考えています。
●仁連
びわ湖の周りに住んでいる生物にとって住みやすい場所にしたいというようなことで、ニゴロブナが上がってくるようなビオトープにしていきたいと考えていましたが、小舟木では不可能ということになってしまいました。びわ湖は、貴重な固有種が魚・エビがいるので、次の世代につなげていきたい。
人間の都合だけで害虫を殺すような化学薬品をまくことがあるが、一緒に他の生物も殺してしまうような化学物質に頼るようなことではおかしいなと。他のバクテリアを殺してしまえば人間自体もいきていかれない。化学物質に依存しないことで、他のバクテリアなども含め、共生のライフスタイルをどうつくっていくか。種の多様性を考えていくということが、これからの課題だと思いますので。
●内藤
一番言いにくいこと、今どうにもならないのが日本の仕組み(国の制度)。今の国の制度とかに引っかかってしまってできないこと。私はそうは聞いていなかった。
環境に配慮した分譲住宅だという風に聞いたのですが、歩道、道路幅が「道は何m」といったふうにあらゆることが制度で決まっている。その制度は、過去の必要性があってできた制度なのですが。下水道にいれなさいと言われる。地球の芽、エコ村の芽がつみとられてしまう。
仁連先生と起死回生の一打を打っていきたいと考えています。
●ピーター
滋賀で変えられなかったら、他で変えられそうもないと思います。
加速度的に動き出しているので、希望もあります。
ここで1つブラックジョークを。
クリスタルガイザーカリフォルニアの水が壇上にある。
1400万人に供給しているびわ湖があるのに、クリスタルガイザーが置いてある。そういった部分の1つ1つが繋がっていないということ。部分をみると支離滅裂。割り箸も、今99.5%くらいが中国から輸入されていて、防腐剤も使われ、山はハゲ山に。価格競争に勝てないから、間伐材が使われない。
システムがおかしい。全体の仕組みと各々の行動とをつなげるように滋賀の力を合わせましょう。滋賀には幸いにして、一歩踏み出す可能性があるのではないかと思っています。
もう1つ。
最終的に、中途半端なものを作ったら意味がない。
多くの場合は、自分の発想に限界をかけてしまう。生きていくことは妥協ですが、自分の発想を限らないでほしい。どこかの先生ができない、といったなど、先生、先輩に縛られることがすごく多い。
例えば、エコ村ができることで、工事からCO2排出量の50%を減らしましょうというようなことではだめ。カーボンニュートラルだけではスタートにすぎない。CO2を吸収する、というくらい。そういうことができるようになるまで、働きかけ続ける、というようなことを目指してほしい。
そこが、エコ村が触媒になる、本来やるべきことと考えています。本来やるべきことを絶対に諦めないで欲しい。それができなきゃはっきり言って、あってもなくてもいい。
●2000年の発足のときにお話を聞いてから、是非そういうコミュニティを作っていきたいと考え、昨年東京の会社を辞めてこちらに来ました。そして、エコ村の近くに参加することができるようになりました。
エコ村の近くに来て、自らが住んで実践しなければならないと思うのですが、東京に家を買ってしまいましたが。自らが住んで実践しないと誰もやらないんじゃないか。是非住まい手になってプロジェクトを進めていければと思っています。住まい手になって行政に声を上げていきたい。日本を変えていく、世界を変えていくことができると。
●市内に住んでいます。ぜひ住んでみたいと考えています。実際に住んでみる側から考えてみると、販売して、それでおしまいではなくて、そこに住み始めてある程度時間をかけて結果成果が現れていくと思いますが、20年など長いスパンでどういうふうに大学などと連携を続けていくのかということや、住んだ後は、私はどのように関わっていくことになるのか。
●仁連
大学なりNPOなり、というのは時代を変えていくようなテーマに取組んでいきたいと思っていますが、テーマを常に出していくことで、関わる人をどれだけ集められるのかということがキーになってくるのかと思います。
●滋賀に来るのが始めて。埼玉から来ました。
非常に進んでいるなという感想を持ちました。千葉から環状線を作るという計画があります。東京の西側に高尾山があるのですが、高尾山に高速道路を作るために穴を開けるということになっているのですが、20年前にできた計画なんです。遅れているなぁ、と思った。
これから、外部からは、ウェブを見たり、マスコミなどで知ることもできるのか、その他はどういうふうに関わることができるのだろう、ということを知りたい。
●仁連
地球の芽も、エコ村ネットワーキングもウェブサイトは持っていますが、一昨日、FM東京でエコ村の紹介をさせていただきました。マスコミで取り上げられると広がりますのでマスコミでもエコ村を取り上げていただきたいと考えていますし、ウェブサイトで最新情報を発信させていただきたいと思います。
閉会あいさつ(前田典夫/小舟木エコ村推進協議会副会長)
私は、エコ村から歩いて5分ほどのところに住んでおり、計画が始まってから楽しみにしておりました。皆さんの努力によって、この日を迎えられたことを嬉しく思います。近江八幡からは、熊沢蕃山、武者小路実篤や、アメリカから来たヴォーリスなどが出ていますが、そこに日本の実験の村、新しい村が生まれます。どんなことがあっても、私も産官学民の一員として、一緒にがんばっていきたいと思います。
記 録:(株)地球の芽 高田さん
まとめ:エコ村ネットワーキング