● 持続性の開発 さて、sustainable developmentという言葉が出てくるが、持続的な開発というよりは、持続性ということをどう開発していくか’developing sustainability’という姿勢が非常に重要ではないのかと考えている。われわれが新しい意味での持続性をどう切り開いていけるか、そういうときにエコビレッジというものがどうあるべきかということを考えていかなければならない。 地球環境問題の中で、われわれ人間は、どうやら身の丈、地球の丈にあった生産の仕掛けに置き換えていかないともたないということがわかってきた。そのためにはライフスタイルや、生産、消費の方式を変えていかなくてはいけない。どうデザインしていくかというときに、たとえばパーマカルチャーのような方法論が出てくる。
● エコロジカルフットプリント エコロジカルフットプリントの考え方で数字を示したとおり、実際地球が持っている生産能力では、われわれの生活はとても支えられない。これからは、資源を使わずにそれなりに豊かな生活をすることが求められている。人間は地球の生物圏の頂点にいるわけだが、ここ50年は、人類圏といわなければならないほど過剰な消費を行ってきた。こうした状況の中で、地球レベルで成長経済から縮小経済へ向かっていくことが求められている。 ● パーマカルチャーという方法論 ライフスタイルデザイン・地域デザインの開発、自給的ライフスタイルデザインなど、地球に対する負荷は少なくしながらも、暮らしの充足感や生きていくための満足感は変えたくない。持続可能な社会に向けて、生活や暮らしの満足感とか、生きていく上での安心感は損なわない暮らしをデザインしていく。 ● 縮小経済を促進する方法論 オーストラリアでパーマカルチャーの考え方を最初に紹介した、ビル・モリソンが「サスティナビリティを超えて」という題名の本を書いている。 100年後、200年後の安定的な社会を考えたときに、どうやって50年前の状態に戻っていくか、つまり縮小経済を促進する方法論としてパーマカルチャーを考えたいというのが、彼の最近のひとつの論点である。 産業界が、地球環境問題を技術革新によって解決する、今の延長で考えるというのが主流である中で、大胆な考えと言えるかもしれないが、50年前のレベルまでどう戻るか、技術だけでは変われない。ライフスタイルの転換を探していく方法論が必要である。 ● 暮らしを作る人間が主人公 ひとつは環境というものを、人間に有用なものとして修復していく、エディブルランドスケープのような考え方がある。またもうひとつはDIY、つまりセルフビルドで「暮らしを作る人間が主人公」という考えがある。人間自身が環境を修復したり、つくっていく。また、地域資源をしっかりと意識し、新しい技術を使うのではなく、自分たちのコントロールできる、適正な技術(中間技術)を開発して、導入していくべきだ。 ● 循環型のシステムづくり そうした中で、日本でいうと縄文の時代から5000年以上、典型的なのは里山のようなところで、すでに環境を利用しながら生活をしてきた。そういう意味では伝統技術の継承ということでも意味があるし、むしろ日本から情報を発信していくこともできるのではないかと思う。ドイツのエコビレッジの取り組みで、建築家のケネディ女史が日本に来ていたが、彼女はフィンドフォーンで1995年に開催されたGENの世界大会で、地域通貨について講演した。この話の中には、自給的というか、その場所その場所での循環型のシステムづくりをしていこう、食べられる景観づくりをやっていこうということがある。
※ 参考 「パーマカルチャーの実践におけるデザイン理念12項目」デヴィッド・ホルムグレン近著 『Permaculture/ Principles & Pathways Beyond Sustainability』
糸長先生から小舟木のエコ村について
○バイオマスエネルギーや緑の量を、どのくらいの数字としてみておられますか。 (解答:仁連理事長)里山はどこかと契約しないと、また農地も周辺の農地と連携していくようなものにせざるを得ないと考えています。里山は周辺にありますし、管理も行き届かないことが多いようですので、お互いにプラスになると考えています。