日時:2003年10月21日(火) 14:00 - 17:00
場所:滋賀県立大学交流センター研修室
参加者:21名
1.始めに
●仁連会長(滋賀県立大学 教授)
今回のワークショップでは、風力・水力エネルギーをテーマに4つのグループから提案をいただき、それを基にして議論を進めていきたいと思います。

2.提案
● 大阪大学+大阪ガス+関西電力の共同プロジェクト/発表:松岡さん(関西電力(株))
「住宅エネルギー消費実態の計測状況について」
 現在のエネルギー消費を把握するため昨年から始めた。関西文化学術研究都市の集合住宅、泉北ニュータウンの戸建住宅の電気、ガス使用量などを30分間隔で計測。
・ 戸建住宅の方がエネルギー使用量が多い。
・ ガスの使用量は冬に激増。水温が低いので湯沸しにエネルギーが必要になることなどが原因。
・ 一日のガス使用量は、夏は17時〜23時頃増えるが、変動は少ない。冬は変動が大きく、ピークは朝6〜9時と、夜17〜22時頃の2回。
 →夏涼しい家よりも、冬暖かい家を考えた方が省エネ効果は高いのではないか?
 今後は、秋期データの計測や用途別のエネルギー消費実態の解析を行う予定。

●(株)関西総合環境センター&(株)エイワット/発表:戎さん((株)エイワット)
 「風力をシンボルとした自然エネルギー利用」
・ 風力発電には、系統連系タイプの他に太陽電池などとハイブリッドで使用する独立電源型がある。
・ 自然エネルギー導入のポイントは
(1) 導入の目的を明確に。環境啓発かエネルギー利用なのか。
(2) 技術の妥当性は?自然条件に適しているか?
(3) 自然エネルギーを有効に使っているか。
・ エコ村での導入の仕方としては、街路灯、公園の揚水ポンプやイルミネーションなど風まかせでいいものに。

● 関西電力(株)/発表:改崎さん
「地中熱ヒートポンプシステム」
業務用の30%を占める冷暖房のエネルギーを、地中熱ヒートポンプシステムで減らす。1の電気エネルギーと2.5の地中熱を使い、3.5のエネルギーを得られるシステム。地下水を汲み上げるのではなく密閉型で水を循環させるので、環境にやさしい。大気に熱を放出しないので騒音は小さく、ヒートアイランド現象にもなりにくい。
日本中で利用可能な技術。滋賀県長浜市の実験施設では、地下水位が高いので地下6mからの熱を利用、また排熱は床暖房用の温水に使っており室内温度は年間を通じて25℃。
今後の課題として、安価な掘削技術の開発や高効率の地中熱回収方式の開発がある。

● 木村電工(株)/発表:木村さん
「水といやし」
水車には多くの種類があり、場所の条件によって使い分けられている。平野部でも使えそうな1kW未満のピコ水力システムを紹介する。
・ ペルトン水車 山東町の浄水場に設置。発電量は約30W
・ ターゴインパルス水車 高さ25m、水量6l/sで最大700W発電。
・ カプラン水車 200Wの出力を得るためには、1mの落差と38l/sの水が常に必要。
・ プロペラ水車 配管の中に入れる水車。最大で1kWの出力。
・ 開放周流形水車(上掛け水車)出力は150W程度。モニュメント的な意味も。
・ いやしと調和
水路で発電し、温暖化につながらない電気で夜はイルミネーションの蛍を飛ばす。
 など、小さくても価値のある利用方法の提案。

3.ディスカッション/コーディネーター:仁連会長
プレゼンテーションを受けて
・地温利用は6mの掘削で十分なのか。
 →長浜は伊吹山の伏流水がある関係で大丈夫。
・小型風車のアフターケアは?
 →15〜20m/sのときは、スイッチを切るよう電話でお願いしている。
・小型風車の調査コストは?
 →風車本体は20〜30万円、施工などを含めると実質は2倍くらい。
・風車が琵琶湖に来る渡り鳥の生態を壊さないか?
 →大型風車で鳥が巻き込まれた例はある。
・風車を発電ではなく、水路の水循環に利用する方法もある。
 →琵琶湖を身近に感じるためにも親しめる水面をつくるとよいのでは。
・農業用水路や瀬田川の水門で発電できないか。
 →高低差があまりないが、琵琶湖の逆水を使えば水量はかなりあるはず。
  水利権が一番の悩みの種。
・エコ村のエネルギービジョンは決まっているのか?
→まだ決定していない。一通りワークショップが終わったら、目標を設定し達成するための、全体としての組み合わせの議論に入る。経済面も考慮して他の地域にモデルになるようなプロジェクトにする。CO2排出量の削減目標を決め、環境省の「環境と経済の好循環のまちモデル事業」に応募したい。
 →そうすると住む人に対してコストがかかってくる。
 →コストは法制度が決めている部分もある。法制度を変えることも考えていく。
・省エネ電球の紹介
 →従来の白熱球の1/5〜1/6の電力。寿命も10,000時間と長く、交換の手間も省ける。
・高気密・高断熱で夏も涼しい家がいいのではないか。
 →住まいのワークショップとも情報交換
・ 冷房より暖房の方が消費電力大きい。冷房よりも冷蔵庫の方がよっぽど消費電力大きい。
・ 冷房は温度を下げるよりも湿気を取るほうが効果的なのでは。

このワークショップは、どんなエネルギーをどれだけ必要としているのか、用途に応じて考えていこうということで始まっている。今回、家庭では給湯、暖房のためのエネルギー消費が多いことがわかった。給湯はガス、暖房は石油、照明は電気が一般的。給湯・暖房系の話と照明・動力系の話は分けて考え、エコ村では将来的なエネルギー利用を先取りしたものとしたい。

(文責 吉葉)

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